原作者：デビッド・ホフマン
原文翻訳: TechFlow
イーサリアムは勝利しているが、ETH投資家はまだ勝利していない
最近、私がETHについてよりハト派的になっていることにお気づきかもしれません。ETHの相対的な評価額の低下は投資家の信頼の喪失につながっており、これはETHがインターネット通貨となることを目指す上で重要な要素です。
ETHのパフォーマンスが低迷している理由は、長年議論の的となってきました。ETHの相対的な評価を揺るがす問題の多くは、ETH自身のコントロールの及ばないところにあります。ゲイリー・ゲンスラー氏、マイケル・セイラー氏をはじめとする関係者が、その一因となっています。（ゲンスラー氏はETHを去り、ETHファンド・マネジメントがようやく設立されました。いくつかの外部要因は、いずれ自然に解決されるでしょう。）
本日は、イーサリアムコミュニティが抱える課題に焦点を当てたいと思います。イーサリアムが3年以上も市場から遅れをとってきた理由の多くは、コミュニティ自身によって決定づけられたものです。私たちは、ETHの潜在的な購入者を活性化させるために、これらの問題の解決に注力すべきです。
ETHの価値捕捉問題
イーサリアムが直面している課題の多くは、1 つの中心となるテーマに要約できます。それは、イーサリアムのユーティリティと ETH の価値の間に価値獲得サプライ チェーンが壊れていることです。
「イーサリアム、ソラナ、トロンなどのステーブルコインの使用が、これらのステーブルコインが依存するレイヤー1トークン保有者にとってより多くの価値を生み出さないように見えることに驚いています。」
— ジョー・ワイゼンタール「The Chopping Block」について
このエピソードでは、CB チームは、SOL と TRX が史上最高値を記録し、競合他社と比較して Ethereum の経済モデル、特にレイヤー 2 モデルに欠陥があることから、この Ethereum 固有の問題について引き続き議論します。
ステーブルコインといえば、2018年から2019年の弱気相場の頃から、ステーブルコインの供給とレイヤー1トークンの価値獲得との関係について懸念が高まっていました。ニック・カーター氏は2020年にBanklessでこの問題について論じた記事「暗号通貨と法定通貨：相互主義か寄生か？」を発表しました。
つまり、イーサリアムレイヤー1のステーブルコイン購入者と保有者は、これらのステーブルコインを購入するために約0.50ドルのガス料金を支払う以外、ETHに何の価値も付加していません。レイヤー2でも同じことをすれば、たとえ数十億ドル相当のステーブルコインが購入されたとしても、ETHの価値は0.01ドル未満にまで低下します。
イーサリアムの物語の勢い
それにもかかわらず、イーサリアムの採用指標は間違いなく強気です。
イーサリアム上でトークン化された株式を展開するRobinhood Chainの最近のローンチは、イーサリアムのレイヤー2ロードマップと、ウォール街の資産にとって信頼できる中立的な決済レイヤーとしての地位を確固たるものにしています。Robinhood Chainによって、ブロックチェーン技術がウォール街の時代遅れの金融システムをアップグレードし、トークン化と取引を可能にするというOGの約束は実現しつつあります。
この発表は、ネットワークに対する多くの強気のシグナルの 1 つにすぎません。
イーサリアム エコシステムはステーブルコイン供給の 50% を占めており、不透明な Tron エコシステムを無視すると、そのシェアは 75% にも達します。
CRCLの大ヒットIPOは、イーサリアムがUSDC全体の66%を保有していることから、特にイーサリアムにとって大きな意味を持つものとなった。
暗号通貨業界で最も信頼され、尊敬されているブランドである Coinbase が、Ethereum Layer 2 を構築しています。
イーサリアムは100%の稼働率を誇り、真の分散化を優先しており、ウォール街との共鳴や競合他社に対するブランドイメージの向上のために相手方を必要としません。
ETH Funding Corporation の経済的影響力は拡大しています。
ETH と Ethereum について強気な主張をしたい場合、そうすることがますます簡単になっています。
イーサリアム開発者が分散化と信頼できる中立性を維持するために注いできたすべての努力が報われ、世界の資本の中心地であるウォール街で驚異的な採用率を達成しました。
ETHの物語を広める
多くの人は、上記の導入事例や成功事例を見て、チャンスを見出しています。
トム・リー氏のビットマインファンド運用戦略は、イーサリアムのナラティブ（物語）的優位性を活用しています。その戦略はシンプルです。ETHをバランスシートに載せ、ウォール街に売却するのです。イーサリアム自体には多くのナラティブ上のハイライトがあります。ETHに必要なのは、ウォール街を興奮させるほどの力強い人物だけです。
ETHが過去4年間でいかに過小評価されてきたかを、私たちは目の当たりにすることになるだろう。ETHの価格低迷は市場の非合理性の結果なのか？それとも、その下落はより根深い、より構造的な問題を反映しているのだろうか？
部族主義と社会の拡張性
上記をさらに深く掘り下げていくと、ETH の両方の側面についてより深い理解が得られます。
レイヤー2モデルを採用したネットワークは、ETHの価値獲得サプライチェーンにおけるリンクを遮断する一方で、ウォール街がわずかな後押しだけでETHを1万ドルに押し上げるような、驚異的な成功ストーリーを生み出しています。
この二分法について私はこう考えています。
未解決の価値獲得サプライ チェーンに物語の力を加えると、部族内部の者には好まれ、部族外部の者には拒絶される部族主義が生まれます。
さて、イーサリアムのほとんどの人は、ライアンが提案した 1 ETH あたり 74 万ドルの価格を見て興奮するでしょうが、イーサリアム外の人はおそらく同じことを見て、それは妄想だと考えるでしょう (QT を読んでみてください)。
しかし、2021年のように、ETHの優れた価値獲得サプライチェーンがETHの物語の中核となる別のシナリオを想像してみましょう。このシナリオでは、すべてのEthereumレイヤー2はネイティブ+ベースのロールアップに基づいており、Ethereumのブロック時間は約2秒に短縮されます（これはEthereumの長期的な目標です）。
この世界では：
Rollupは同期的に構成可能なため、ネットワークブリッジは不要です。レイヤー1のブロックタイムが短縮されたことで、マーケットメーカーはより低いスプレッドを提供でき、結果としてオンチェーン取引量の増加につながります。価格執行は大幅に改善されます。
イーサリアムの堅牢な MEV インフラストラクチャは、最終的には、他の場所で見つかる約 20% のウールではなく、トレーダーに最良の執行 (Memecoin などで) を提供するために使用できます。
クロスチェーン流動性はレイヤー 1 に戻り、ネイティブ + ベースのロールアップはレイヤー 1 の流動性にシームレスにアクセスできるため、取引量が増加します。
Based+Native Rollup は、共有流動性と構成可能性を提供しながら、現在の L2 よりも 10 ～ 100 倍多くのガスを消費します。つまり、Rollup 上のこれらのアクティビティはすべて、実際には大量の ETH を消費することになります。
Rollups上のトークン化された資産は、イーサリアムエコシステム全体からアクセス可能となります。トークン化された資産の発行・取引プラットフォームとしてのイーサリアムの地位はさらに強化されるでしょう。
私が上で示したのは、イーサリアムのユーティリティとETHの価値獲得の間のフィードバック ループが回復される未来です。
部族主義の物語を打ち破る
2024年、ビットコインは、主に部族社会によって推進されていた資産から、世界の最も強力な政府によって「特別な雪片」と見なされる資産へと変化しました。ビットコインだけが戦略準備金を有しており、他にこのような準備金を持つ資産はありません。
ビットコインのファンダメンタルズ（上限2100万）により、非部族投資家は少なくともいくらかのビットコインを保有することが求められます。
イーサリアムも同じことをする必要があります。
トム・リー氏と他のすべての ETH マネー企業がウォール街に ETH の福音を説いている一方で、彼らが一貫した価値獲得ストーリーに立ち、それを交渉材料として活用することができれば、はるかに良いでしょう。
イーサリアムコミュニティは、イーサリアムの実用性とETHの価値の間のフィードバックループを早急に修正する必要があります。必要なインプットは理解しています。また、このビジョンの実現に既に関わっている多くの関係者や、コミュニティ全体の説得が必要となる可能性のある関係者も理解しています。私たちは、必ずや目標を達成できると信じています。
何が危機に瀕しているのでしょうか？それは、世界に売り込むことができる、より効果的なイーサリアムの成長ストーリー、つまり、ETHコミュニティがETHに望んでいる目標、つまり1万ドルの価格水準を最終的に達成するストーリーです。
